学習・運動を行うために必要な「見る力」
仕事を円滑にこなすために必要な「見る力」
視力が良いことは「見る力」には大切なファクターです。しかしながら視力が良いから問題がないということではありません、健康診断で血圧が正常範囲であれば問題がないとは言えないことと同じように「見る力」にも他の機能が総合的に働いてはじめてしっかり見ることができていると言えます。
学習につまずく子供たちの中には、視力に問題がないが、「見る力」に弱さがある、真の意味での見ることが上手くできない場合があります。見ることは学習では大変重要なファクターです。「見る力」が弱いためにボール遊びが苦手、読み書き苦手(鏡文字がある)、憶えられない、図形問題が苦手などのつまずきにつながるケースが多く見受けられます。このような子供たちは「人一倍エネルギーを使うために本読みなどを避けてしまいます。行動面も集中力や注意力も散漫になり、会話などのコミュニケーションが上手くとれずに対人交流を避けたりすることにつながります。AD/HD(注意欠陥/多動性衝動性障害)の特徴に類似していることもあります。発達性Dyslexia(ディスレキシア)=読み書き障害とも重なった症状も見られます。このような子供達は苦手な事を避けることはあっても気づくことはありません
情報収集の80%は目から取り込んでいるといわれています。視覚機能は常に変化し続ける状況に合わせてそのときそのときに最も適した視覚行動を選び取る大変重要な能力いわば知能のひとつといえます。
社会人においてもデスクワークはじめ車の運転時に疲れやすく、集中力がなくなったりすることが視機能に原因があることがあります。健康診断での視力検査が1.0であるから目は大丈夫と侮らずに視力以外の視機能もチェックすることもお考えください。
視覚機能検査センター
オプトメトリスト 谷口光之
例えば…
☑ | キャッチボールができない |
☑ |
読み飛ばし、繰り返し読みがある、内容を記憶して読んでいるようだ。 |
☑ | 黒板を写すのが苦手、遅い。 |
☑ | 長い時間集中して読むことができない。 |
☑ | 絵や図形を見て書き写すことが苦手。 |
1. 視力:一般的には学校はじめ職場などでの視力検査において視力1.0が良く見えているといわれていますが、これは遠方の視力を示しています。(視力検査では5mの距離で測定)、では遠くの視力が良いと近距離(手元凡そ30~40cm)も見えているかといえばそのような相関性がない場合もあります。従って遠方視力だけでなく近方視力も測定する必要があります。とくに発達著しい子供は遠近ともにチェックする必要があります。正確に表現すれば静止視力遠方・近方検査・・・・・動的な視力検査もあります。
2. 両目をチームワーク良く使い距離感や奥行き感が分かるか?・・・両眼視機能
3. 教科書を読む際に素早くピント合わせて追視ができるかどうか?・・・眼球運動検査
4. 図形などの形の構成を正確に理解できているか?・・・視知覚検査
5. 書き写しが正確にできるか?・・・目と手の協応
小学2年 A児・・・読み書きが苦手、特に黒板を写すことに困難さがある。毎日元気に遊んでいるがドッチボールなどボールキャッチうまく取れない、視力は良好、落ち着きがない集中できない。
検査結果・評価
見たい所に目を素早く向けることができない、追視に問題がある、更に、本人より次のような言及「お母さんが二人にみえるときがある。」止まっているものを見ること(静止視力)両眼1.0であるが、
動きを伴うものを目で見ることが困難さがあるために、学習はじめ生活の面で困り感がありました。
念のために眼科受診後、眼科的な異常なし、問題を改善するためビジョントレーニングに取り組みました。月の1度のペースで1年間のトレーニング後、ほぼ読み書きのつまずきは改善しました通級指導教室に通うこともなくなりました。
小学4年 男児・・・「漢字が書けない、文章問題は良くできる。」小学1年時、学級担任より特に問題はないと言われてきたが小3になりコーディネータに相談したところ”見ることに”問題があるのかもの指摘があり国語のテスト(漢字、文章題)を持参して検査に来訪。眼科受診後、異常は無の診断でした。
文章題=100点、漢字テスト50問のうち正解は9問 20問は空白でした。
漢字は次のような間違い・・・・・家ぞく⇨家旅、全ぶ食べる⇒全陪食べる、 友人をまつ⇒友人を詩つ、国語のべん強⇒国語の宿強、
文しょうを読む⇒文小を読む、たなのせい理⇒たなの正理 以上数例紹介
似た文字の区別(漢字の意味と読みの統合)、文字の音韻の問題、書く文字の形態が想起できないなど
困難さがあるようです。視機能の面からは視力適正でありましたが他の機能には低下がありました、しかしながら視機能だけでないと思われますがまず、まず、入力視機能の問題を軽減することから始め視覚機
能認知も並行してサポートしています。書字障害というカテゴリーで進められない症例です。
日本オプトメトリック協会・LD学会・大垣市「井川クリニック」・大垣市民病院小児科・大阪医科大学LDセンター・岐阜県立希望が丘学園・岐阜県長良医療センター・岐阜県太田病院小児科・岐阜県立病院小児科・視覚発達支援研究会・大垣市社会福祉課発達支援相談・美濃加茂市教育センター発達相談・岐阜県御嵩町発達支援相談・大垣女子短期大学幼児教育学科
関係学会のリスト、テーマ
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店舗名 メガネのオプティ (併設)視覚機能検査センター
代表者名 谷口 光之
住所 〒503-0923 岐阜県大垣市船町7-15-2
電話番号・FAX 0584-78-6344
定休日 木曜定休
営業時間 9:30~19:00
駐車場:2か所 計4台
10月美濃加茂市健康福祉部こども課の依頼で保育士研修に出かけました。テーマは「子どもの視覚の発達」です。
初めての研修内容でしたから見ることはどんなことなのかを実践を通してお話を進めました、座学は一歩的になりやすく両目を使うとはどのようなことかとか子供の見る力は後に用に育ってゆくのかそのスピードは成人と比べその違いを中心に1時
間半講師を務めました。一番大切な時期を過ごす保育士さんの役割等に触れ私にとりましても有意義な時間でしょた。子供たちの心を輝かせるように見守っていただくことを切に願っています。
岐阜県御嵩町の子育て支援センター「ぽっぽかん」の研修会に出かけました。子育て真っ盛りのお母さんはじめ保育士の先生、町役場の福祉係の方をまじえ”子供たちの見る力”についてお話ししました。感覚機能の一つである視覚機能は決して単独で育つのではなく感覚器同士の適切な連携が重要である、そのための療育でもあることをアピールしました。山あいのにある施設は陽だまり静かな環境にあり子供たちには最適の学び舎でした。